[2013/05/07] 第58回 「大切にする」とは
先日、友人と居酒屋で飲んでいました。
飲み会の途中、友人が「自分が大切にしていることが二つあるけど、分かる?」と質問されました。 一緒に居る友人は、長い付き合いで、好みもよくわかっていました。「家族と友人」と答えました。 「さすが!」と満足そうにしていました。
飲み会が終わり帰路に就き、「私が大切にしていることはなんだろう?」と自分自身に問いかけてみました。家族、友人も大切ですが、仕事、趣味なども大切だと思いました。そして、「大切にする」とはそもそもなんだろうと考えました。
「大切」をインターネットの国語辞書で検索してみると、下記の三つになっています。
1.もっとも必要であり、重んじられるさま。重要であるさま。「―な条件」「―な書類」
2.丁寧に扱って、大事にするさま。「本を―にする」「命を―にする」
3.急を要するさま。「―なる事有りて、夜を昼にて上れば」〈今昔・一六・二〇〉
辞書の言葉を並べてもイメージとしては捉えられますが、実際に説明してくださいと言われるとうまく説明できません。それは、自分自身がもっとも必要としていることが決まっていないからです。
「大切」は、もっとも必要なこと、つまり、優先順位を表していると考えます。
「大切にする」の例えを三つあげて考えます。
・「大切な書類、仕事道具」とは?
書類に汚れや折り目をつけないこと。機密情報として、他社の人に見せないこと。
・「食べ物、服、生活用品を大切にする」とは?
消費期限までに使い切ること。布を修繕し、再利用すること。
付属のマニュアルに記載されている通りに利用すること。
・「家族、友人を大切にする」とは?
定期的に連絡をとり、名産品を送ること。GW、お盆、年末年始に顔を合わせに行くこと。
どの例えも前段(「大切」の定義)と同じで、自分自身の優先順位が決まっていないため、イメージのみとして捉えられます。
「大切にする」は、普段の生活で関係する人や利用している物、人が考えていることがあげられます。そうであれば、生きているうえで関わること、すべてが大切となります。すべてが大切なら「○○を大切にしなさい」という言葉があることがおかしいと思います。 しかし、人それぞれ大切にしていることがあり、普段の生活で「大切にする」という言葉を使っています。
矛盾していると考えたとき、大切にすることが、人それぞれ違うということに改めて気付きました。そして、人によって大切にしていることが変わるのは、対象への優先順位と理解が異なるためだと思います。
「大切にする」という言葉は、二つの意味から成り立っていると考えます。
・「対象の優先順位をあげること」
・「対象を的確に理解すること」
ただし、優先順位、理解することは、人それぞれ異なるため、大切にするという対象が変わったりします。 私の「大切にする」という答えは、今時点での対象への優先順位をあげて、理解することです。
今後、自分自身が成長していき対象への理解が深まり、対象が変わる可能性もあります。それでも変わらない「大切にする」を見つけます。
そのために、日常生活で自分自身が判断し行動したことに対し、なぜそうしたかを理解して(考えて)いきます。そして、自分自身が理解していくことにより、本当に大切にする対象が理解できると思います。<n.a>